西日本皮膚科
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症例
異型ポルフィリン症
小森 一哉湊原 一哉松永 剛
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2001 年 63 巻 4 号 p. 387-390

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抄録

症例は31歳の女性。1994年ごろより両手背の外傷の治癒が遅いという自覚症状が出現。1997年1月当科初診。顔面,両手背の色素沈着を伴う瘢痕および右手背の水疱を認め,水疱部の生検では表皮下水疱,真皮血管周囲へのPAS陽性物質の沈着を認めた。尿中ポルフィリン体のコプロポルフィリン優位の増加,血中δアミノレブリン酸の高値を2度の検査にて確認した。便中のコプロポルフィリンおよびプロトポルフィリンの高値を認め,異型ポルフィリン症と診断した。皮膚科領域においては本邦では4例目の報告であり,皮膚症状のみを呈した症例としては本邦で第一例目の報告である。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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