西日本皮膚科
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症例
ペニシリン系抗生剤による膿疱型薬疹の1例
細川 裕子森田 明理辻 卓夫
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2001 年 63 巻 4 号 p. 428-430

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抄録

63歳。女性。乾癬の既往なし。糖尿病性網膜症の手術後,アスポキシシリンの点滴が行われた。その2日後より,全身に浮腫性紅斑·膿疱が出現した。点滴は3日間で終了し,続いてアンピシリン·クロキサシリンナトリウム合剤にきりかえたが,この日より39度台の熱発をおこし,皮疹がさらに悪化した。薬疹を疑い,アンピシリン·クロキサシリンナトリウム合剤内服を中止し,抗ヒスタミン剤内服を開始したところ約2週間で皮疹は消退した。パッチテストではアスポキシシリンは陰性,アンピシリン·クロキサシリンナトリウム合剤は陽性であったが,DLSTでは両薬剤とも陽性であった。臨床経過,検査結果より,上記ペニシリン系抗生剤(アスポキシシリン,アンピシリン·クロキサシリンナトリウム合剤)による膿疱型薬疹と診断した。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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