2001 年 63 巻 4 号 p. 448-451
アトピー性皮膚炎20例に対しトシル酸スプラタスト(商品名:IPD®)を投与し,その前後で臨床的重症度スコアー,好酸球数,血清中LDH, IgE, eosinophil cationic protein(ECP), major basic protein(MBP), interleukin-4(IL-4)およびinterleukin-5(IL-5)を測定した。その結果,臨床的重症度スコアー,LDH, IgEで有意な低下がみられた。また,生検を施行し得た1例の組織中のIL-4, IL-5を免疫組織化学的に検討したところ,投与後で明らかな染色性の低下が認められた。以上より,トシル酸スプラタストはアトピー性皮膚炎に対し有効であると思われた。