2001 年 63 巻 5 号 p. 509-513
13歳の女子。初診の8日前に微熱,関節痛,さらに腎部,四肢に紅斑,丘疹,紫斑が出現したため当科を受診した。血液検査にてHBsAg(+), HBeAg(+), HBeAb(-), IgM-HBc抗体(+)であり,HBV DNAが検出された。皮疹部の免疫組織化学的検査で血管壁にC1qとC3の沈着が認められた。以上より急性B型肝炎前駆期に生じた血清病様症候群と診断した。皮疹が軽快するとともにAST,ALTの上昇がみられたが,強力ミノファーゲン®Cの点滴静注にて30日後に回復した。