右大腿部に生じた平滑筋肉腫の1例を報告した。症例は,67歳の女性。右大腿部の結節を全摘され,6年後に同部に再発した。病理組織所見は真皮内に境界明瞭な腫瘍塊を認め,腫瘍細胞は抗α-smooth muscle actin抗体陽性,鍍銀染色にて箱入り像があり,一部に核の大小不同,異型性を認め平滑筋肉腫と診断した。HE染色において腫瘍が真皮内に存在すること,血管成分に乏しく,血管系を示唆する管腔構造を示さないことより,皮膚型の平滑筋肉腫と考えた。なお6年前の切除標本は,今回のものと同様の病理組織像であった。平滑筋肉腫は比較的稀な疾患であり,本邦では60例の報告がある。再発までの期間は平均11.6ヵ月だが,本症例では6年と比較的長い経過をとっている。文献的考察を加え報告した。