西日本皮膚科
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症例
Langerhans Cell Histiocytosis
—皮膚生検が診断確定·治療効果判定に有用であった1小児例—
雄山 瑞栄山村 真弘清島 真理子伊藤 玲子岩田 雅子近藤 富雄
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2001 年 63 巻 6 号 p. 628-631

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抄録

1歳2ヵ月,男児のLangerhans cell histiocytosis(LCH)の1例を報告した。生後2ヵ月時より血便があり,その後軽度肝障害,脾腫,サイトメガロウイルス感染症,中耳炎,白内障,ぶどう膜炎などを次々に併発した。当院小児科に入院後,頭部X線で円形の透亮像(punched out lesions)を認め,頭頂部,両耳介後部および両腋窩に脂漏性湿疹様皮疹に気づいた。頭頂部皮疹の生検で真皮にS-100蛋白およびCD1a陽性の異型性のある組織球様細胞を,また電顕所見では細胞質内にBirbeck顆粒を認めたためLCHと診断した。治療には, cytarabin, vincristine, prednisoloneからなる多剤併用化学療法が用いられ,10ヵ月後には寛解した。しかし,化学療法終了3ヵ月後に皮疹の再発がみられたため化学療法を追加し,再び寛解となった。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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