西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
無汗性外胚葉形成不全症の1例
宮脇 さおり森田 明理辻 卓夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

2002 年 64 巻 3 号 p. 301-303

詳細
抄録

10ヵ月男児。異常な顔貌(odd face)にて経過観察されていたが,基礎体温の高値および発汗低下のため,皮膚科紹介受診となった。臨床所見は,鞍鼻,粗な頭髪,耳介の低位置,口唇の突出,また体幹四肢は鱗屑を伴う紅斑を認め,滑らかで薄い皮膚がみられた。歯牙形成は,認められなかった。背部の病理組織学的所見では,非連続の4枚の切片にはいずれも,真皮に汗腺·毛包·脂腺を認めなかった。発汗試験陰性。以上の臨床所見,病理組織像,発汗試験から,無汗性外胚葉形成不全症と診断した。以後,萎縮性鼻炎,眼瞼内反症による角膜びらん,気管支喘息を発症し,耳鼻科,眼科,小児科で定期的に加療されている。早期診断によって,発熱による死亡と脳障害を予防することが重要であり,クーラーの使用や物理的な体表面の冷却等適切な温度管理で,現在のところ脳障害などの問題はみられていない。

著者関連情報
© 2002 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top