西日本皮膚科
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治療
サンディミュン®投与中の乾癬患者に対するネオーラル®への切り換え効果の検討
—その有効性,トラフ値の推移と安全性に関して—
高橋 英俊伊部 昌樹橋本 喜夫飯塚 一中村 哲史真鍋 公
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2002 年 64 巻 3 号 p. 357-362

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抄録

製剤的に吸収の安定化をはかるために改良されたネオーラル®(シクロスポリンMEPC)について,従来製剤(サンディミュン®)を服用中の乾癬患者に対し,同一用量で切り換えた場合の安全性,臨床効果とシクロスポリンの血中濃度(トラフ値)の変動について検討した。対象患者20例にネオーラル®切り換え後,12週間継続投与した。ネオーラル®に切り換え後,PASIスコアおよびそう痒の軽度改善が認められた。ネオーラル®切り換え時の平均トラフ値は70.74ng/mlであったが,切り換え2週後には106.7ng/mlに上昇し,12週後にはさらに122.5ng/mlと有意な上昇が認められた。切り換え後,認められた副作用の発現は20例中2例(10.0%)で,内訳は血圧上昇が2件,血清クレアチニン値の上昇1件,BUNの上昇が1件認められたが,重篤なものはなかった。有用度は19/20(95.0%)の症例でサンディミュン®内服時と比較して同等以上の有用性が確認された。以上の結果からサンディミュン®からネオーラル®への切り換えは同一用量で比較的安全に効果を維持できると考えた。また,ネオーラル®によるトラフ値の上昇により乾癬の維持治療の際,サンディミュン®投与時より低用量で治療可能であることが示唆された。

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© 2002 日本皮膚科学会西部支部
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