西日本皮膚科
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症例
イヌ鉤虫幼虫による皮膚幼虫移行症と考えた1例
大日 輝記古賀 哲也城戸 真希子師井 洋一占部 和敬古江 増隆名和 行文
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2002 年 64 巻 4 号 p. 452-455

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抄録

31歳,男性。タイへ渡航し現地リゾートの海岸を訪れた後,右足底に爬行様線状疹を認め,次第に移動した。病理組織にて肥厚した表皮内に小水疱を認め,水疱内,表皮および真皮上層血管周囲に高度の好酸球浸潤および中程度のリンパ球浸潤を認めた。一方,虫体は認めなかった。各種寄生虫の免疫血清学的検査はいずれも陰性であったが,渡航歴,経過および臨床所見からイヌ鉤虫による皮膚幼虫移行症と診断した。近年,海外リゾート地での感染例が相次いで報告されており,同地渡航者における本症の診断に注意が必要である。

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© 2002 日本皮膚科学会西部支部
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