抄録
31歳,男性。上気道炎様症状の1週間後に鱗屑を伴う米粒大の淡紅色類円形紅斑が出現,全身に拡大した。病理組織学的に乾癬と一致する像を認め急性滴状乾癬と診断した。ASOは480 U/mlと上昇していた。ASKは1280倍であったが2週後5120倍に上昇した。HLAのタイピングは,A33(19), A11, B17, B70, Cw3, Cw7であった。抗生剤の内服にて一旦略治したが,1998年7月,1999年3月に再発した。咽頭培養ではくりかえしStreptococcus Pyogenesが検出された。1999年5月扁桃摘出術を施行した。術後,咽頭培養は陰性化し,2年7ヵ月間再発をみなくなった。扁桃摘出術は有効であったと考えた。急性滴状乾癬が再発を繰り返す場合は,扁桃摘出術を考慮してもよいと思われる。