西日本皮膚科
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症例
扁桃摘出術を行った急性滴状乾癬
守屋 美佳子梅林 芳弘戸島 均
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2002 年 64 巻 5 号 p. 567-569

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抄録
31歳,男性。上気道炎様症状の1週間後に鱗屑を伴う米粒大の淡紅色類円形紅斑が出現,全身に拡大した。病理組織学的に乾癬と一致する像を認め急性滴状乾癬と診断した。ASOは480 U/mlと上昇していた。ASKは1280倍であったが2週後5120倍に上昇した。HLAのタイピングは,A33(19), A11, B17, B70, Cw3, Cw7であった。抗生剤の内服にて一旦略治したが,1998年7月,1999年3月に再発した。咽頭培養ではくりかえしStreptococcus Pyogenesが検出された。1999年5月扁桃摘出術を施行した。術後,咽頭培養は陰性化し,2年7ヵ月間再発をみなくなった。扁桃摘出術は有効であったと考えた。急性滴状乾癬が再発を繰り返す場合は,扁桃摘出術を考慮してもよいと思われる。
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© 2002 日本皮膚科学会西部支部
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