西日本皮膚科
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症例
疼痛に対して交感神経遮断薬が著効した多発性皮膚平滑筋腫の1例
中野 純一郎野中 薫雄
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64 巻 (2002) 6 号 p. 703-706

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抄録

70歳,女性。15年前より腰部に小結節が出現し始め,最近疼痛を伴うようになり当科を受診した。初診時の所見で両側腹部から腰部にかけて5mm前後の小結節が100個以上集簇して認められた。組織学的に真皮浅層から深層にかけて比較的境界明瞭で被膜を有さない腫瘍塊がみられ,典型的な平滑筋腫の像を呈した。広範囲切除を希望せず,痛みの伴う腫瘍のみ切除を希望し,分割切除を施行した。期間中の疼痛軽減目的にCa2+拮抗薬(nifedipine)および交感神経α1受容体遮断薬(doxazosin)を使用し,自発痛や接触による疼痛の出現がほぼ消失し,疼痛に対し著明な効果が得られた。交感神経支配である立毛筋の収縮抑制に働き,神経の圧迫が軽減されたためと考えられた。本疾患では疼痛のため日常生活に支障をきたすこともあり,Ca2+拮抗薬や交感神経α1受容体遮断薬などの内服療法は,低血圧症状の出現に注意を要するが,疼痛を軽減させる目的で,試みるべき治療法のひとつである。

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© 2002 日本皮膚科学会西部支部
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