65 巻 (2003) 1 号 p. 38-40
86歳,男性(農林業従事),1週間前より亀頭部付近に青色丘疹が出現し,急速に増大し紅褐色調のドーム状結節となった。自ら抗生剤軟膏を塗布していたが,効果がないため2000年6月26日当科を初診した。近くの山畑で耕作中草むらで排尿をすることがあった。初診時,陰茎亀頭溝の包皮付近に4×5×3mmの黒褐色ドーム状隆起性の小結節を認めた。自覚症状や両鼠径部のリンパ節の腫脹·圧痛なし。初診時皮膚付属器の良性腫瘍を疑い,ビデオスコープで観察した所,4対の脚の一部が確認されたためにマダニ刺咬症と診断し,径5mmのトレパンで単純切除し,虫体をはずした。虫体は5.4×4.5mmで,外見的特徴からタカサゴキララマダニ(Amblyomma testudinarium)若虫と同定した。