西日本皮膚科
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症例
Glomeruloid Hemangioma,胸腺腫および肺高血圧症を伴ったHyaline-vascular TypeのMulticentric Castleman’s Diseaseの1例
妹尾 明美牧野 英一神原 宏枝藤本 剛徳田 道昭
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2003 年 65 巻 3 号 p. 249-253

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抄録

70歳女性。1996年1月より顔面,四肢の浮腫と呼吸困難が出現し,同じ頃より胸部,背部に血管腫様紅色結節を生じた。内科入院時,CT画像上,上前縦隔の腫瘤と縦隔および腋窩に多発するリンパ節腫大,胸腹水,軽度の脾腫あり。入院後も呼吸困難,腹部膨満感,四肢の浮腫が急速に進行し,腋窩リンパ節生検の結果,Hyaline-vascular型のmulticentric Castleman’s diseaseと診断された。皮膚の紅色結節はGlomeruloid hemangiomaで,上前縦隔腫瘤は胸腺腫であった。ステロイドパルス療法2クールと胸腺腫摘出後,胸水,腹水は徐々に軽減し,血管腫,リンパ節も縮小した。2000年再び労作時呼吸困難,血管腫の増大を認め,精査にて原病による肺高血圧と診断。再びステロイドパルス療法にて血管腫の縮小,肺高血圧の改善など本例はステロイドにて良くコントロールされている。

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© 2003 日本皮膚科学会西部支部
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