西日本皮膚科
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症例
末梢動脈閉塞型血管ベーチェット病の1例
中野 純一郎上里 博新垣 肇野中 薫雄久貝 雪野金城 福則佐久田 斉
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2003 年 65 巻 5 号 p. 429-432

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抄録

口腔内アフタ性潰瘍,血栓性静脈炎,陰嚢部潰瘍を認め,眼症状を欠いた不全型ベーチェット病の24歳,男性。初診より約6ヵ月後,右第3指指尖部壊疽を認め,血管造影により手動脈弓,指動脈に数カ所の動脈閉塞,狭窄部を確認し末梢動脈閉塞型の血管ベーチェット病と診断した。皮下の血栓性静脈炎など細小面管の炎症性病変はベーチェット病の基本的な病態像であるが,中大血管に病変を生じることがあり,それに伴って多彩な症候を呈する場合,血管ベーチェットとよばれ,特殊病型として扱われる。そのなかでも自験例のような末梢動脈閉塞型の報告は稀である。また自験例は消化器にも多発性潰瘍を形成するなど病変が多彩であり,今後も定期的にRIベノグラフィやCTなどの検索を行い,他部位での発症を早期発見する必要があると思われた。

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© 2003 日本皮膚科学会西部支部
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