西日本皮膚科
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症例
Photodynamic Dlagnosisを試みた乳房外パジェット病
竹内 善治園田 忠重阿南 隆高安 進藤原 作平澁谷 博美浅田 裕司
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2003 年 65 巻 5 号 p. 455-458

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抄録

74歳,男性。約20年前より外陰部にそう痒性皮疹が出現。皮疹は徐々に拡大。生検の結果乳房外パジェット病と診断。術前,病変部に対して5-aminolevulinic acidによるphotodynamic diagnosis(PDD)を行ったところ,病変部に一致して赤色蛍光が認められた。肉眼的には正常にもかかわらず,赤色蛍光を発し,病理組織でパジェット細胞を認めた部位が3ヵ所存在した。手術ではPDDにて蛍光を発した部分および明らかな病変部辺縁より3cm遠位にて腫瘍を切除した。術後3年の経過観察中であるが,再発·転移は認めていない。また,大分医科大学皮膚科において最近3年間に経験した本例の他8例の乳房外パジェット病に対しても,腫瘍範囲の決定に際してPDDの有用性を検討した。偽陽性を減少させる手技上の工夫が今後必要と考えられたが,乳房外パジェット病にPDDを応用すれば,腫瘍範囲の決定が容易となると考えられた。

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© 2003 日本皮膚科学会西部支部
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