西日本皮膚科
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治療
虚血性潰瘍の治癒後に継続する足部のシビレ·冷感·安静時疼痛に対して, γリノレン酸が有効であった閉塞性動脈硬化症の1例
飯島 茂子津田 毅彦並川 健二郎鈴木 靖子
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65 巻 (2003) 5 号 p. 483-489

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抄録

長期の喫煙歴,糖尿病を有する閉塞性動脈硬化症Fontaine IV度の74歳男。虚血性潰瘍の治癒後に継続する足部のシビレ·冷感·安静時疼痛に対して,多価不飽和必須脂肪酸の一つであるγリノレン酸を試みた。γリノレン酸含有オイルの外用にて臨床的に症状は改善し,中止にて再燃した。γリノレン酸150mg/日の内服にても症状が改善し,内服12週後には症状は消失した。内服前後で,下肢のサーモグラフィによる皮膚温は,特に患側の左足において明らかに改善し,比濁法による血小板凝集能も抑制された。このことから,サーモグラフィによる皮膚温の上昇は,血小板凝集を抑制する結果,血液の流れを改善させたことによると考えた。γリノレン酸の投与により,病変の改善と血小板凝集抑制効果を同時に明らかにした臨床例は,渉猟しえた限りで報告はない。γリノレン酸は通常の食事からは摂取されにくいので,栄養学的な観点からも,難治性の場合にはγリノレン酸の投与も治療の一つになりうると考えた。

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© 2003 日本皮膚科学会西部支部
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