西日本皮膚科
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症例
全身性強皮症にバージャー病を合併した1例
中村 郁代米澤 智一東 裕子吉井 典子宇宿 一成金蔵 拓郎神崎 保
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2003 年 65 巻 6 号 p. 550-553

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抄録

43歳,男性。当科初診の1ヵ月前より右第3指の黒色変化と手指のこわばりが出現。初診時,右第3指末端の壊疽,左手指の指尖陥凹性瘢痕,右第4,5指以外の手指末端の短縮,手指全体の光沢のある腫脹,爪周囲のチアノーゼ,点状出血,前腕の皮膚硬化を認めた。抗Scl-70抗体198.5 Index(<16),抗核抗体640倍(<20)であった。右第3指背側の生検にて真皮から皮下にかけて膠原線維の増生を認めた。胃内視鏡検査にて逆流性食道炎が認められた。以上より,全身性強皮症と診断した。一方,指の壊死が急速に拡大してきたため,上肢の血管造影を施行,右尺骨動脈の手首部位での途絶とその他の動脈の先細り像がみられ,バージャー病が考えられた。以上より,全身性強皮症とバージャー病の合併と考えた。両者の合併は稀少で過去本邦にて2例しか報告されていない。

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© 2003 日本皮膚科学会西部支部
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