西日本皮膚科
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症例
サルコイドーシスを合併した抗HTLV-1抗体陽性強皮症の2例
野村 昌代浜崎 洋一郎山之内 寛嗣片山 一朗牛島 信雄
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2004 年 66 巻 2 号 p. 117-120

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抄録

サルコイドーシスを合併した抗HTLV-1抗体陽性の強皮症の2例を報告した。症例1 : 65歳女性。58歳頃よりレイノー症状, 両手指の腫脹を自覚していた。65歳より両手指, 手背の腫脹が増強し, 紫紅色斑が出現した。手背部紫紅色斑の皮膚生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認め, 抗セントロメア抗体陽性を示した。サルコイドーシスとの関連を疑う完全房室ブロックを認めた。症例2 : 55歳女性。45歳より両手指, 顔面の硬化とレイノー症状を自覚するようになった。55歳の8月頃左下肢伸側に手掌大の浸潤を触れる紅斑が出現した。組織学的に非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫であった。胸部CTで両側縦隔リンパ節腫脹を認め, 抗核抗体 (細胞質型) 320倍陽性。唾液腺生検では小唾液腺に巣状のリンパ球浸潤を示した。2例とも抗HTLV-1抗体陽性であった。サルコイドーシスに自己免疫的な機序の関与が示唆され, 若干の文献的考察を加えた。

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© 2004 日本皮膚科学会西部支部
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