2004 年 66 巻 2 号 p. 183-187
1988年から2003年2月までの14年間の琉球大学皮膚科学教室における水疱性類天疱瘡を集計し検討した。患者数は26例で性別は男11例, 女15例, 平均発症年齢は男69.3歳, 女75.0歳, 全体では72.6歳であった。平均観察期間は3年3カ月であった。治療はステロイド単独内服例が26例中16例, DDS併用例が2例, シクロスポリン (CYA) 併用例が4例, 塩酸ミノサイクリン (MINO) とニコチン酸アミド (NA) 併用が2例, ステロイド外用とMINO/NAの単独投与例が2例であった。初診後2カ月から11年9カ月までの観察期間中, 死亡率は42%であった。また発症後1年以内の死亡率は21%と予後は悪く, 肺炎による死亡が多かった。さらに死亡例10例のうちステロイド治療中に死亡した例は9例, ステロイド中止し寛解中に死亡した例が1例であった。