西日本皮膚科
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症例
カルバマゼピンによるDrug-induced Hypersensitivity Syndrome (DIHS) 後に総合感冒薬による薬疹を生じた1例
林田 清芽佐藤 惠実子占部 和敬古江 増隆
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ジャーナル 認証あり

2004 年 66 巻 4 号 p. 379-384

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抄録

42歳の男性。近医で処方されたカルバマゼピン (テグレトール®) の内服を開始して約40日後に全身倦怠感, 37℃台の発熱, 顔面の腫脹と紅斑が出現, その後さらに前腕や手背, 腋窩等に浸潤性丘疹が出現してきた。Drug-induced hypersensitivity syndrome (以後DIHS) を疑いステロイドの全身投与を行ったが, 皮疹は癒合し拡大増悪した。また高熱も続いたため, ステロイドパルス療法を施行した。カルバマゼピンのDLST試験は陰性, パッチテストは陽性であった。検査所見でhuman herpesvirus-6 IgG抗体の上昇を認め, 同ウイルスの再活性化が示唆され, カルバマゼピンによるDIHSと診断した。約1カ月後に感冒様症状に対し総合感冒薬を内服したところ, 翌日に前回の皮疹と同じ部位に紅斑が出現し, 再びステロイドの全身投与を行った。詳しい問診により, DIHS発症時期に同剤の内服歴があり, その時に感作された可能性が示唆された。

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© 2004 日本皮膚科学会西部支部
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