2005 年 67 巻 1 号 p. 38-41
妊娠37週6日,体重2526gで出生した女児。出生時より,顔面を除く全身の皮膚に小水疱と落屑を認めた。直接鏡検にて集簇する胞子と仮性菌糸を認め,先天性皮膚カンジダ症と診断した。口唇口蓋裂を認めるものの呼吸状態を含む全身状態は良好で,画像検査にて明らかな異常がなかったことから,塩酸テルビナフィンの外用単独で治療を開始した。しかし,翌日CRP値およびβ-Dグルカン値の上昇を認めたため,病変の拡大や内臓病変の存在を考慮しフルコナゾールの点滴を追加した。その後の経過は良好で,日齢12日に治療を中止したが,再燃を認めていない。