西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
Nested PCR 法による真性皮膚結核の診断
新垣 肇上里 博武居 公子金城 紅子稲福 和宏新濱 みどり野中 薫雄翁長 小百合仲宗根 勇山根 誠久
著者情報
ジャーナル 認証あり

2005 年 67 巻 1 号 p. 42-48

詳細
抄録

皮膚結核は,Ziel-Neelsen染色による病変部組織における抗酸菌の存在,小川培地などを使用した培養検査により病変部から結核菌が証明されることによって最終的な診断が下される。一般に抗酸菌における遅発育菌の場合,その同定には2~3週間を要する。しかし最近迅速な検出方法としてDNA-DNAhybridization,アンプリコア®マイコバクテリウムなどが臨床的に利用されているが,それらのDNA診断法は培養不成功の症例には使用できない。今回我々は,皮膚腺病3例,皮膚疣状結核1例の4症例に対し,nested PCR法を使用して皮膚病変部から結核菌を証明した。さらに増幅された結核菌DNAの塩基配列をシークエンス法で決定し,原因菌が抗酸菌のなかのMycobacterium tuberculosisと同定した。以上のことから,皮膚結核の診断にnested PCR法を使用すれば,従来のPCR法よりさらに検出感度が上がり,またダイレクトシ-クエンス法を加えれば原因菌の同定が容易に行なえたのでここに報告した。

著者関連情報
© 2005 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top