抄録
38歳,女性。6歳時,二分脊椎症に伴う腸閉塞のため一時的下行結腸ストーマ造設術をうけた。2000年10月に潰瘍性大腸炎を発症し,2004年5月よりストーマ周囲に有痛性の潰瘍が出現し急速に拡大した。ストーマ周囲に15×25cmの境界明瞭な潰瘍を認め,潰瘍辺縁に軽度浸潤を触れる紅斑がみられた。臨床像および潰瘍性大腸炎に罹患していることよりperistomal PGと診断した。局所処置とプレドニゾロン40mg/日を開始したところ,1週間後には潰瘍は急速に縮小し,40日目にすべて治癒した。本邦での皮膚科領域からの報告例は少ないが,皮膚科医として知っておくべき疾患と思われる。