西日本皮膚科
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症例
水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の長期観察例
高木 磨美小林 桂子森田 明理沼田 時男
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2006 年 68 巻 5 号 p. 508-511

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抄録

12歳の女児。出生時,全身に皮膚潮紅を認め,体幹・四肢に最大径10cmにおよぶ糜爛があった。徐々に落屑するようになり,3歳頃から洗濯板状の厚い鱗屑と水疱形成を認めた。5歳時よりエトレチナート0.2~0.5mg/kg/日の内服治療等を行い落屑性角化性局面は減少した。12歳時に行った皮膚病理検査では,角層の肥厚と表皮内に顆粒変性が認められ,水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と診断した。その後,エトレチナート内服治療を継続し,症状は徐々に軽快した。20歳時には,全身の角質肥厚は残存しているが,水疱形成や潮紅はみられなくなった。

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© 2006 日本皮膚科学会西部支部
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