症例1,2は5歳と44歳の娘,父。肛囲に痒い紅斑が出現した。ともにA群β溶血性連鎖球菌が検出され,肛囲溶連菌性皮膚炎(perianal streptococcal dermatitis; 以下PSD)と診断した。1週間の抗生物質内服,外用で治癒した。PSDは,肛囲の紅斑を主訴とする疾患であり,小児に好発する。44歳の健常な成人に本症を生じることはまれであると考えた。これまでに筆者が経験した他のPSDの症例についても検討したところ,発症年齢は11か月から44歳,男子9例女子4例で男子が多かった。また,冬季発症例が13例中10例と多かった。溶連菌による合併症は,外陰膣炎が3例,亀頭包皮炎と中耳炎が1例ずつみられた。基礎疾患にアトピー性皮膚炎を有する者は5例だった。