西日本皮膚科
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講座
乾癬の病態(中編)
—乾癬における好中球の役割—
清水 秀直照井 正
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2006 年 68 巻 5 号 p. 527-531

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抄録

乾癬の病変は一様ではなく,同じ局面内であっても臨床的にも組織学的にも不均一である。乾癬の病変形成と維持にT細胞を介した免疫反応が重要である。病変部で活性化されたT細胞から産生されるリンホカインは表皮の増殖を促進し,その過程で刺激されたケラチノサイトが産生する炎症性サイトカインは浸潤するT細胞の活性化状態を増強・維持する。このようなT細胞とケラチノサイトの相互作用は慢性湿疹に類似した炎症性変化の維持を説明できるが,典型的な局面型乾癬病変部の辺縁や局面内部で島状にみられる急性病変における好中球の浸潤を説明するには十分ではない。急性病変部の好中球は,刺激されたケラチノサイトから放出されるIL-8などのケモカインばかりでなく角層周辺で補体傍経路の活性化を介して産生されるC5aアナフィラトキシンとの相乗作用によって角層へと誘導される。この総説では乾癬での炎症性変化の病態メカニズムを私たちの実験結果を交えながら解説する。

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© 2006 日本皮膚科学会西部支部
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