西日本皮膚科
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症例
抗p200類天疱瘡の1例
井上 義彦阿部 俊文荒川 正博石井 文人辛島 正志橋本 隆
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2007 年 69 巻 2 号 p. 137-140

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抄録

80歳,男性。初診の約3ヵ月前より全身にそう痒を伴う紅斑が出現した。次第に拡大し,水疱を伴ってきたため受診した。顔面を含む略全身に大小様々の浮腫性紅斑が多発し,紅斑局面上に比較的小さな緊満性水疱を認め,一部は環状に配列していた。病理組織学的に表皮下水疱を認め,水疱内と真皮上層に好酸球やリンパ球を主体とする炎症性細胞浸潤を認めた。蛍光抗体直接法では,表皮真皮境界部にIgGとC3の線状沈着を認め,1M食塩水剥離皮膚を基質に用いた蛍光抗体間接法では,真皮側にIgGの反応を認めた。EDTA剥離真皮抽出液を用いた免疫ブロット法では,患者血清は200kD蛋白に反応した。以上より抗p200類天疱瘡と診断した。治療としてプレドニゾロン内服(30mg/日)にて皮疹は消退した。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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