西日本皮膚科
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症例
左側頭部に生じた皮膚髄膜腫の1例
増岡 美穂平島 徳幸井関 充及三砂 範幸成澤 寛
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2007 年 69 巻 2 号 p. 150-153

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抄録

36歳,男性。22歳頃,左側頭部の皮下結節を自覚し,以後,結節は徐々に増大した。初診時,左側頭部に径4cm の皮下腫瘤を認め,球状で弾性硬,圧痛は伴わず下床との可動性は良好であった。局所麻酔下に摘出し,頭蓋骨との癒着はなかった。病理組織検査では腫瘍細胞が,cell nestあるいは渦巻き状の構造を示して増殖していた。核は類円形で空胞状核を有し,細胞境界は不明瞭であった。免疫染色にてvimentin(+),S-100 protein(+),estrogen receptor(+),progesterone receptor(+)であり髄膜腫と診断した。頭部MRIにて頭蓋内,頭蓋骨内に腫瘤影は認めず,骨欠損や骨浸潤も認めなかったことから,皮膚原発の髄膜腫と診断した。皮膚原発の髄膜腫は稀であり,さらに側頭部に生じたのは本邦の報告で初めてであった。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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