2007 年 69 巻 3 号 p. 259-262
70歳,男性。初診の4ヵ月前より背部にそう痒を伴う紅斑が出現した。膝関節,手背にも紅斑が拡大し,下肢の筋力低下も伴うようになった。臨床所見及び病理組織学的所見より皮膚筋炎と診断した。初診時血液検査にて汎血球減少と異型リンパ球を認めたため,造血器悪性腫瘍を疑い骨髄穿刺を施行し,急性骨髄性白血病と診断した。皮膚筋炎に悪性腫瘍を合併することが多いことは知られているが,急性骨髄性白血病を合併する症例は非常に稀であり,国内外併せて自験例を含め3例のみであった。悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎について若干の考察を加えた。