西日本皮膚科
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症例
メシル酸イマチニブ(グリベック®)による薬疹
井上 雄二尹 浩信行徳 貴志池田 勇
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2007 年 69 巻 5 号 p. 501-504

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抄録

58歳,女性の慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia,CML)患者における,グリベック®による薬疹の症例を報告した。CML発症後1ヵ月でグリベック®投与(400mg/日)を受けたところ,6週間後に全身に紅斑を認めた。紅斑は,グリベック®減量(200mg/日),副腎皮質ホルモンの内服,外用にて消退したが,その後,掌蹠の紅斑,下肢の紫斑,爪白癬などを合併した。グリベック®に対する薬剤添加リンパ球刺激試験(DLST)およびパッチテストは陰性であったが,皮疹出現時に著明な好酸球増加を認めた。その他,グリベック®による薬疹と診断した4例も併せた報告した。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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