西日本皮膚科
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症例
成人に発症した炎症性線状疣贅状表皮母斑の1例
増岡 美穂平島 徳幸佐田 明日香三砂 範幸成澤 寛
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2007 年 69 巻 6 号 p. 613-616

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抄録

57歳の男性。50歳頃より左前腕のそう痒が出現し,紅色丘疹が線状に配列しているのに気が付いた。ステロイド,ビタミンD3軟膏の外用にて改善しなかった。初診時,左前腕から肩にかけて,角化性結節が規則的にBlaschko線に沿って線状に配列していた。病理組織学的に過角化,乾癬様の表皮突起の延長を伴った表皮肥厚を認めた。真皮上層では血管周囲性にリンパ球を主体とする細胞浸潤を認めた。さらに,正常角化性の過角化を伴う表皮顆粒層肥厚の部分と不全角化で無顆粒層の部分が交互に存在していた。臨床所見,組織学的所見より炎症性線状疣贅状表皮母斑(inflammatory linear verrucous epidermal nevus: ILVEN)と診断した。ILVENは患者の75%が5歳以前に発症するといわれているが,自験例は50歳頃に発症している。成人発症はまれであり,文献的に検討した。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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