西日本皮膚科
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症例
Desmoplastic Malignant Melanomaの1例
國行 秀一前川 直輝吉田 有紀山中 一星
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2008 年 70 巻 2 号 p. 153-158

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抄録

71歳,男性。初診の3年前ごろより,右手掌に黒褐色胼胝様皮疹が出現し,その後徐々に表面びらん状となり,さらに隆起性赤色腫瘤状になった。臨床的に血管拡張性肉芽腫が疑われた。病理組織検査では真皮内に紡錘形細胞が充満しており,一部の細胞内にメラニン沈着を認めた。また免疫組織学的検索でS-100(+),HMB-45(-),Vimentin(+),Cytokeratin(-),α-SMA(-),NSE(-)であったことより,desmoplastic malignant melanoma(DMM)と診断した。全身検索ではリンパ節転移,遠隔転移を認めず,stage II C(pT 4b,N 0,M 0),UICC 2002と診断した。肝硬変に伴う肝機能低下のため,化学療法は施行せず,IFN-β局注療法により経過観察中である。現在のところ再発や転移を認めていない。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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