症例は71歳,男性。当科初診の7ヵ月前に右耳朶後面に増殖性局面が出現し,3ヵ月後に自壊した。摘出したところ,2週間後に創は潰瘍化した。外科的処置を繰り返すたびに潰瘍が拡大し,耳朶が下垂した状態になった。増殖性局面の病理組織所見はpseudoepitheliomatous hyperplasiaの像を示し,真皮に好中球,単核球および形質細胞が浸潤していた。増殖性膿皮症と診断し,プレドニゾロン40mg/日を内服投与したところ,潰瘍は上皮化したが,漸減後中止した3日後に発熱とともに潰瘍が再出現した。シクロスポリン3mg/kg/日の内服投与により再び潰瘍の上皮化はすすみ,現在漸減中である。