西日本皮膚科
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治療
ステロイド外用に抵抗性の頭部乾癬皮疹に対する高濃度タカルシトールローション製剤(ボンアルファ® ハイローション 20μg/g)の効果についての検討
高橋 英俊辻 ひとみ飯塚 一
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2008 年 70 巻 5 号 p. 522-526

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抄録

乾癬の外用治療の主体は活性型ビタミンD3剤になりつつあるが,被髪頭部に関してはいまだステロイド剤の使用が多い。これはコンプライアンスのよいローション剤はステロイドローションが主であったこと,及び活性型ビタミンD3 製剤の剤形選択の幅が狭いことに起因しており,被髪頭部の乾癬治療に関しては治療に難渋する症例が少なくない。最近,高濃度活性型ビタミンD3 ローション剤が使用可能となってきたが,本邦において他剤との使い分けのエビデンスはない。今回我々は,ステロイド外用治療に不応の被髪頭部の乾癬皮疹に対し,高濃度タカルシトールローション製剤(20μg/g)の有効性について検討した。ステロイド外用剤による治療で症状に変化が見られない被髪頭部の尋常性乾癬に対して高濃度タカルシトールローションへ変更し,その後の効果を検討した。変更後,紅斑,浸潤·肥厚,鱗屑·痂皮の各スコアとスコア総計のいずれも投与4週後には投与前と比べ有意な改善がみられ,投与8週後においても効果は持続していた。治療前のステロイド外用薬のランク(力価)別の治療経過による総スコアはランク(力価)の違いに関わらず,高濃度タカルシトール外用後スコアの減少が見られたが,strongest,very strong,strong の各ランクでの3群間での有意差はなかった。全般改善度は外用開始4週後において有意な改善がみられ,投与8週後においても同様であった。自己評価によるpsoriasis area and severity index(self PASI)スコアについての検討でも治療後,有意な低下が見られた。また,psoriasis disability index(PDI)スコアでも治療8週後に有意な低下が見られ,特に仕事·学業,人間関係,治療の評価項目で有意な改善を見た。以上より,高濃度タカルシトールローションはステロイド外用と比べ難治性の頭部病変に対して有効な治療法であることが明らかとなった。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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