西日本皮膚科
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症例
Mechanic's Handを呈した皮膚筋炎の1例
岡崎 志帆子小川 文秀山岡 俊文佐藤 伸一加治 賢三藤本 学桑名 正隆
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2008 年 70 巻 6 号 p. 606-609

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抄録

49歳の女性。初診の1ヵ月前より37℃台の微熱,乾性咳嗽が出現した。その頃より上眼瞼の発赤腫脹,手の皮疹が出現したため,当科を受診した。初診時手のこわばり,ヘリオトロープ疹,頬部紅斑,ゴットロン・逆ゴットロン徴候,爪囲紅斑,mechanic's handを認めた。抗核抗体陰性,CRP軽度上昇,クレアチニンキナーゼ,アルドラーゼは正常範囲であった。また大腿部のMRIにて筋炎の所見は認めなかった。以上よりamyopathic DMと診断した。間質性肺炎の合併を認め,典型的なmechanic's handと間質性肺炎を呈していたため,当初抗aminoacyl-tRNA synthetase(ARS)抗体症候群を疑いprednisolone 40mg/dayより治療を開始し,cyclosporinの併用にて間質性肺炎は軽快した。免疫沈降法にて抗ARS抗体は陰性であった。Mechanic's handと抗ARS抗体は常に相関するわけではないと考えられた。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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