西日本皮膚科
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症例
特別養護老人ホームの介護士にみられたTrichophyton glabrumによる体部白癬の1例
—同施設におけるTrichophyton glabrum感染症の検診も含めて—
篠田 英和関山 華子西本 勝太郎
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2008 年 70 巻 6 号 p. 630-633

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抄録

44歳,女性,介護士。右上腕伸側に鱗屑を付す辺縁隆起性の環状紅斑を認め来院。KOH直接鏡検および培養より,Trichophyton glabrum(T. glabrum)による体部白癬と診断した。患者の勤務する老人ホームの従業員および入所者に対し,hair-brush(スパイク90本)を用いたsampling(HB)による検診を行った。従業員39名と入所者92名を対象とした。自験例以外の従業員には白癬を認めず,HB法も全員陰性であった。入所者では14名がHB法陽性であり,分離された菌では患者介護士より分離されたコロニーと同様の培養所見でありT. glabrumと同定された。頭部の所見はblack dot 2名,粃糠疹4名であり,また保菌者が8名みられた。HB法陽性者の要介護度は4~5で離床と自立体動不可の状態であり,介護士による毎日の介助を必要としていたため,入所者の頭部から介護士の上腕に感染したと考えた。入所者における発端者は不明であるが,HB法陽性者が多発した理由として洗髪時に使用する櫛の共用が推測された。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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