西日本皮膚科
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研究
福岡大学病院における褥瘡評価システムDESIGNの浸透度の調査
 
今福 信一中山 樹一郎牧野 太郎小坂 正明小佐々 昭子上野 雅代古賀 亜矢子
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ジャーナル 認証あり

2008 年 70 巻 6 号 p. 639-644

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抄録

褥瘡は全ての診療科に関わる重要な疾病である。その評価方法であるDESIGNシステムの当院の看護師への浸透度をアンケート形式で調査した。有効回答数584(総数620,回収率94%)の中でDESIGNシステムについて認知しているものが79%,実際に採点したことがあるものは全体の35%であった。勤務年数との関係では経験年数の増加に応じて認知,実施経験が有意に上昇していた。経験した診療科による浸透度の差は,神経疾患(脳神経外科・神経内科)でやや高い傾向がみられたが,平均値と有意な差はなかった。判定項目別の難易度を調査したところ,滲出液(E),大きさ(S)は55%,49%がそれぞれ迷わず判定できると答えたのに対し,深さ(D),炎症/感染(I),肉芽組織(G),ポケット(P),壊死組織(N)ではそれぞれ88%,88%,84%,78%,75%が判定にときどき迷うまたはいつも迷うことが解った。これらの情報は今後のDESIGNの浸透を目指す教育やDESIGN自身の再評価に向けての基礎データになると考えられた。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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