西日本皮膚科
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症例
p63の免疫染色が診断に有用であった乳房外Paget病の1例
工藤 洋平奥山 隆平相場 節也谷田 宗男
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2009 年 71 巻 2 号 p. 150-152

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抄録

78歳,男性。2年前より陰茎下面に紅斑が出現し,陰部カンジダ症ならびに単純疱疹として外用剤で加療されていた。難治のため,2007年4月に当科を受診した。初診時,比較的境界が明瞭で,一部びらんを伴う紅斑を陰茎下面に認めた。病理組織学的には,表皮内に明るい大型の胞体と類円形の核を有する異型細胞を認めた。Cytokeratin-7(CK-7)が陽性であり乳房外Paget病を考えたが,PAS,CEAが陰性のため,pagetoid Bowen病も否定できなかった。しかし免疫組織学的にp63が陰性であったため,pagetoid Bowen病の可能性を除外することができ乳房外Paget病と診断した。治療として陰茎の紅斑を局所麻酔下に切除術を行った。術後約1年が経過するが再発や転移は認めていない。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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