西日本皮膚科
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症例
獅子様顔貌を呈した限局性白癬性肉芽腫の1例
浅川 絵理藤広 満智子望月 隆
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2009 年 71 巻 2 号 p. 160-163

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抄録

91歳,健康な女性。初診の数ヵ月前から顔面にそう痒を伴う丘疹と紅斑を生じた。接触性皮膚炎として加療したが受診を中断した。再診時には前額部から鼻部,下顎部にかけて広範囲に敷石状の結節と弾性軟の皮下腫瘤を,頭部には膿疱を認めた。生検皮膚は感染性肉芽腫の像を認め,PAS染色,Grocott染色で角層および真皮内に真菌要素を確認,Trichophyton rubrumが培養され,限局性白癬性肉芽腫と診断した。頭部の膿疱内にも菌糸を認め,手足の爪に白癬病巣を合併していた。トリコフィチン反応は陰性であった。抗真菌剤の内服により急速に改善した。発症原因は近医から処方され2ヵ月間塗布した強力なステロイド剤と考えた。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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