2009 年 71 巻 3 号 p. 265-268
78歳,男性。1996年11月頃より手指,前腕に皮膚硬化が出現したため,1997年当科を受診した。レイノー現象,舌小帯の短縮,抗核抗体160倍,皮膚生検所見などより全身性強皮症(diffuse type)と診断した。皮膚硬化に対して外用PUVA療法およびプレドニゾロンの内服を行い,硬化の改善を認めた。2007年4月に嚥下障害を生じ,上部消化管内視鏡を施行した。内視鏡で,下部食道に白色隆起性病変がみられ,生検で食道癌(carcinosarcoma)と診断された。同年7月に食道部分切除,噴門側胃切除手術が施行された。