西日本皮膚科
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症例
Klinefelter症候群に伴った難治性下腿潰瘍の1例
藏岡 愛穐山 雄一郎小川 文秀清水 和宏佐藤 伸一赤星 吉徳
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2009 年 71 巻 4 号 p. 392-395

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抄録

57歳,男性。初診の14年前,両下腿内踝部に皮膚潰瘍が出現した。近医皮膚科で外用治療を受けるも難治であり,2008年1月上旬,精査加療目的で当科紹介入院となった。右下腿内踝部に70×25 mm,左下腿内踝部に60×35 mmの不整形な潰瘍を認めた。内部には黄色壊死組織が付着し,周囲は著明な色素沈着と皮膚萎縮・硬化を認めた。左大腿,両下腿に静脈瘤があり,右大腿には静脈ストリッピング術による創痕があった。身長184 cmで,声が高く,体毛は少なく,女性化乳房,両精巣萎縮を認めた。理解力不足,軽度の言語発達遅滞も感じられた。血清LH,FSH増加とテストステロン低下を認め,染色体検査で核型47,XXYを検出し,Klinefelter症候群と診断した。下腿潰瘍はKlinefelter症候群に伴う静脈瘤,うっ滞性皮膚炎により生じたと考えた。安静と外用治療で下腿潰瘍は軽快,上皮化した。明らかな基礎疾患がない男性のうっ滞性皮膚炎や難治性下腿潰瘍をみた場合,Klinefelter症候群も念頭に置く必要があると考えた。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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