2009 年 71 巻 4 号 p. 412-415
62歳,男性。初診の数日前より39℃の発熱と皮疹を認め,近医で治療を受けるも改善しないため当科を受診した。全身に爪甲大の淡い紅斑,肝障害,後頚部の刺し口と思われる皮疹,発熱などの特徴的な臨床像よりツツガムシ病と診断した。塩酸ミノサイクリンの点滴を開始し紅斑は急速に退色したものの,発熱は持続し肝障害も増悪した。塩酸ミノサイクリンによる副作用と考え,治療薬を変更せざるをえなかった。一般的にクロラムフェニコールも有効とされるが,直ちに薬剤を入手することができず,対応に苦慮することとなった。アジスロマイシンに変更したところ,解熱し肝機能障害も軽快した。またクロラムフェニコールを併用した。その後もツツガムシ病の再燃を認めなかった。