西日本皮膚科
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症例
髄膜脳炎を合併した帯状疱疹の1例
吉福 明日香植木 ゆり玉井 真理子三好 逸男東 裕子金蔵 拓郎山野 嘉久
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2009 年 71 巻 5 号 p. 494-496

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抄録

症例は41歳の男性。右顔面の三叉神経第I枝領域の帯状疱疹で当科に入院した。750 mg/日のアシクロビルを開始したが, 翌日より, 頭痛, めまい, 嘔気, 眼振が出現した。髄液検査で細胞数の増加(リンパ球優位)を認め, PCR法でvaricella-zoster virus-DNAが陽性であった。帯状疱疹による髄膜脳炎と診断し, アシクロビル2250 mg/日に増量し, メチルプレドニゾロン500 mg/日を3日間併用した。その結果, 髄膜脳炎の後遺症もなく回復した。自験例のように比較的若年者で, 基礎疾患のない患者においても帯状疱疹の髄膜脳炎を合併することがあり, 注意を要する。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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