西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
統計
そう痒性皮膚疾患におけるベシル酸ベポタスチンの臨床的効果に関するアンケート調査
大森 睦美竹内 聡田代 あかり中原 剛志三苫 千景寺尾 浩浦田 保志吉村 映里工藤 恭子安川 晋輔辻田 淳国場 尚志増永 可奈桑原 健太郎市川 竜太郎伊藤 絵里子竹下 弘道安川 史子西江 温子師井 洋一古江 増隆
著者情報
ジャーナル 認証あり

2010 年 72 巻 3 号 p. 240-245

詳細
抄録

平成20年5月から12月にかけて,九州大学病院皮膚科と関連病院皮膚科に通院中の,そう痒性皮膚疾患を有する患者107例(平均年齢は52.1±19.0歳,男女比=45 : 62)を対象として,少なくとも1 週間のベシル酸べポスタチン投与後に,そう痒の改善と日中の眠気,夜間の睡眠,服用に適した錠剤の色と形状,満足度などについてアンケート調査を行った。日中のそう痒の改善は全体で88.6%,夜間のそう痒の改善は89.5%で,疾患別にみると蕁麻疹群(日中 : 94.3%,夜間 : 97.1%)は湿疹・皮膚炎群(日中 : 87.2%,夜間 : 89.4%)に比べて有意に改善していた(P<0.05)。日中の眠気は全体の13.2%にみられたが,「眠気あり」群でもそう痒の改善は92.9%と高く,64.3%が処方の継続を希望した。また,全体の27.2%で入眠までの時間が短縮された。薬剤の形状は全体の78.3%が小さい丸い形を希望し,色に関しては特に嗜好はみられなかった。別の抗ヒスタミン薬の「前薬あり」群でも,「前薬なし」群と同様,日中・夜間のそう痒はともに大きな改善がみられたが,改善度は「前薬なし」群の方が有意に高かった。群間に有意差の処方継続希望は79.4%であり,本薬剤の高い有用性と満足度が示された。

著者関連情報
© 2010 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top