西日本皮膚科
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症例
肺結核患者に発症したサイクロセリンが原因と考えられた扁平苔癬型薬疹の1例
宮地 素子國武 律子廣田 暢雄今福 信一中山 樹一郎
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2011 年 73 巻 1 号 p. 44-48

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抄録

63歳,男性。肺結核に対し,イソニアジド,リファンピシン(RFP),エタンブトール,ピラジナミドにて治療開始後,多剤耐性結核と判明し,治療開始2ヵ月後よりエチオナミド(TH),ストレプトマイシン(SM),サイクロセリン(CS),レボフロキサシン(LVFX)に変更したが肝機能障害が出現しTHを中止した。肺結核治療開始8ヵ月後よりリファブチン(RBT)を追加。9ヵ月後より両下腿に紅斑が出現して来た。ステロイドの外用や抗アレルギー剤の内服を行ったが皮疹は拡大した。肺結核治療終了後,精査を希望し当科受診。手背に紫紅色局面や頬部に色素沈着が認められた。手背皮膚の病理組織像は扁平苔癬様の変化であった。RBT,LVFX,CS,RFP,SMの薬剤添加リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test : DLST)は陰性,パッチテストは48,72時間後の判定でCSが陽性であった。肺結核の治療終了後,皮膚症状は軽快した。以上よりCSによる扁平苔癬型薬疹と診断した。結核は,耐性菌の出現を防ぐため多剤併用を標準治療としている。治療中,肝障害,発熱,薬疹などの副作用も多い。副作用出現時は原因薬剤を早くつきとめ治療を再開するため,パッチテストなどにより原因薬剤を同定することが望ましい。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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