西日本皮膚科
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症例
Goltz症候群の1例
大森 睦美高原 正和中村 暁子竹内 聡師井 洋一古江 増隆占部 和敬上田 明弘安元 慎一郎
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2011 年 73 巻 2 号 p. 148-151

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抄録

16歳,女性。幼少時から四肢に褐色斑が散在しているのに気付いていた。その後次第に顔面,体幹,四肢の色素沈着と同部位の運動時の潮紅が目立つようになってきた。13歳時に皮膚科を受診しレーザー照射を行ったが明らかな効果はなく経過観察とされていた。2008年8月に当科を受診した。初診時,顔面・体幹・四肢に毛細血管拡張と色素沈着,疣状の褐色局面,色素脱失を伴う線状・斑状の萎縮性局面を認めた。上腕,下肢では一部Blaschko線に沿って線状に配列していた。左前腕の生検組織では,皮下脂肪組織が真皮上層まで突出,増生していた。特徴的な臨床像と病理組織像より,中外胚葉の先天性形成異常疾患とされるGoltz症候群(focal dermal hypoplasia)と診断した。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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