西日本皮膚科
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治療
角質増殖傾向の強い足白癬に対するルリコナゾール製剤の効果
――単独療法と尿素製剤併用療法の無作為化比較試験――
高原 正和辻 学松田 哲男竹内 聡師井 洋一古江 増隆
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2011 年 73 巻 2 号 p. 190-194

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抄録

角質増殖傾向の強い足白癬に対するイミダゾール系抗真菌剤(1%ルリコナゾールクリーム)単独および尿素製剤との併用効果について,8週間の外用期間にて無作為化比較試験を行った。登録症例数は抗真菌剤単独群38例,尿素製剤併用群59例の合計97例であった。8週時の皮膚症状改善度は単独群では77.8%,併用群では68.8%であった。直接鏡検による真菌陰性化率は単独群55.6%,併用群61.3%であった。いずれの主要評価項目においても単独群と併用群の間に統計学的な有意差は認められなかった。以上の結果から,ルリコナゾールのような近年開発された抗真菌剤においては,すぐれた抗真菌活性や皮膚貯留性を併せ持つため,尿素製剤との併用を必ずしも必要としない可能性が示唆された。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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