西日本皮膚科
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症例
Aneurysmal Fibrous Histiocytomaの1例
小原 あずさ屋宜 宣武宮里 肇仲里 巌中野 盛夫
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2011 年 73 巻 4 号 p. 358-361

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抄録

36歳,女性。2~3年ほど前から右膝上方に結節が出現し徐々に増大,数回打撲し内出血を繰り返していた。初診時の大きさは22×15×7mmで,表面は紅褐色調で平滑,一部くびれのあるドーム状に隆起した弾性硬の結節であった。臨床的に隆起性皮膚線維肉腫や悪性線維性組織球症,悪性黒色腫が考えられた。病理組織学的には,真皮上層から中層までは腫瘍組織内に赤血球が充満した裂隙とヘモジデリンの沈着を多数認め,真皮下層では腫瘍細胞は紡錘形で密に増生し花筵状を呈していた。免疫染色ではCD34,CD68,desmin,factor VIII,S-100,HMB-45,SMA,vimentin,MIB-1いずれも腫瘍細胞では陰性であった。特徴的な病理組織および,免疫染色の結果からaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した。悪性腫瘍との鑑別を要し,臨床所見のみからでは診断が困難であった。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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