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西日本皮膚科
Vol. 73 (2011) No. 4 P 362-367

記事言語:

http://doi.org/10.2336/nishinihonhifu.73.362

症例

54歳,女性。初診の3ヵ月前に体幹および四肢小結節を自覚,小結節は自然消退,新生を繰り返した。病理組織学的にはPautrier微小膿瘍を伴い,真皮上層に異型性を有するリンパ球様細胞の浸潤を認めた。これらの異型細胞は免疫染色ではCD4(+),CD8(-),CD25(+)を呈し,Southern blotでHTLV-1のクローナルな組み込みを示した。皮膚以外には同様の病変を認めず,皮膚型ATLLと診断した。水痘ワクチンによる免疫賦活療法を行ったが,皮膚病変の多発,リンパ節腫大,末梢血異常細胞の増加をきたし急性転化と判断し,modified LSG15療法を3サイクル,EPOCH療法を1サイクル,etoposide内服を施行し,部分寛解が得られた。皮膚病変のみ残存し,triamcinolone局注療法,電子線を用いた放射線治療,新規薬剤であるヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(histone deacetylase inhibitor;HDAC阻害剤)の内服を行ったが悪化,再度急性転化した。放射線治療を併用しながらEPOCH療法,CPT-11,pentostatinの投与を行い一時症状の改善が得られたが,初診から21ヵ月で死亡した。

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