2011 年 73 巻 6 号 p. 586-588
67歳,男性。初診の3年前より左肩甲骨部に結節性病変が出現し,徐々に増大してきたため当科を受診した。全摘生検では皮下脂肪織内に比較的境界明瞭な充実性腫瘍として認められ,組織拡大像では腫瘍は粘液基質を背景に,紡錘形ないし多角形で異型性の強い腫瘍細胞が密に増殖しており,一部壊死像がみられた。免疫染色では,vimentinのみが陽性であった。以上よりhigh-grade myxofibrosarcomaと診断した。全身検索では転移を認めなかったことから,治療としては切除瘢痕より辺縁2.5cm離して深部は筋膜も含めた拡大切除術を行った。